公認会計士試験 合格体験記

商学部4年 Kさん

「公認会計士」との出会い

まずはじめに、「公認会計士」という職業がある、ということを知った当時高校3年生の無知な私は、一切の興味・関心を持ちませんでした。

クラスメイトに「公認会計士ってすごいらしいから、今度、自分たちの高校でやってくれる公認会計士の紹介ガイダンスに行ってみようぜ!」と熱弁された夏。大学受験のシーズンが迫っている中、彼は何を言っているんだろう、それより大学に入ることでいっぱいいっぱいだよ、と思い、その誘いを断った。もしあの時、彼の話に耳を傾け、当ガイダンスに行っていれば、もしかすれば、早い時期から会計士試験の勉強に早く取り掛かることができ、合格するための道のりが険しくなることはなかったのかもしれない。当試験に合格してから日が経った今もなお、そのような「もしも」を考えることがあります。

 大学生となった私は、大学から送られてきた資料や、大学周辺で行われていたビラ配りで、再び「公認会計士」の文字と邂逅しました。当時私は、商社マンであった従兄の影響により、「ビジネスを武器に世界を股にかけている商社マンって、大人っぽくてかっこいい!」と思い、商学部にてビジネス・商業を学ぼうとする若人でした。また、大学受験から解放された身として、様々な新しいことに挑戦していこう、という心意気もあり、先述の高校時代のような視野の狭い考え方もある程度払拭していました。そのため、「公認会計士」という職業をとりあえず知っておくことは、ビジネス・商業を学んでいくうえで必要なことかもしれない、という考えに至り、大学提携の公認会計士講座及び簿記講座のガイダンスに参加することにしました。

ガイダンスをいざ受けてみると、「会計」という分野はビジネス社会を生きる中で大事なものなんだなと漠然と把握し、とりあえず基礎として簿記講座を受けることにしました。すると、会計的考え方、どのような事業・商業分野にも「会計」は基礎として存在すること、及び公認会計士の行う「監査」という業務形態に関する事項等を学ぶ、あるいは講師の経験談を拝聴することにより、「自分の目指したい職業は公認会計士だ」と、いつの間にか公認会計士になった将来像を思い描きつつ、会計士講座の申込みへ向かう自分がいました。そして、大学1年生の12月、私は本格的に公認会計士の勉強をスタートしました。

公認会計士試験合格への道のり

 公認会計士試験合格への道のりは、非常に苛酷で、茨の道そのものでした。思っていたよりも多いテキストや問題集、答練の多さに圧倒され、また私はサークル活動にも重きを置いていたため、そちらに時間をかけつつ、大学でのタスクもこなしながら、隙間を見つけて勉強を行う、という多忙な生活を過ごしておりました。また、勉強開始時当初、自習室へ通うことに対してなんとなく恐怖心を感じていたため、大学の図書館や自分の家にて、一人で勉強していました。そのため、周りの受験生のレベル感というものを把握しておらず、また、勉強時間もどれほど取ればいいのかあまり分からなかったため、勉強1~2年目は少々勉強に対しては怠けたものとなってしまいました。

上記の反動故か、2回の短答式試験の不合格を経験してしまいました。2回目の短答式試験が不合格だった際、すでに大学3年生の夏を迎えており、次の短答式試験の際には大学4年生で受けなければならないという状況でした。この大学生活はなんだったんだ、と後悔が残るような大学生活になるのは物悲しい、そのような思いに至り、自習室へ通うことを決心しました。

自習室へ通う中で、一緒に切磋琢磨できる受験仲間、懇切丁寧な講師陣やチューターの方々との交流を通じ、自分の努力は今まで足りなかった、そして一人では成長しない気質なんだ、と気づきを得ることができ、合格への第一歩を踏み出しました。大学4年生では、サークル活動がいっそう苛烈を極める中、少々の休憩を除いた隙間時間はすべて勉強に当てました。また、受験仲間との教え合い、切磋琢磨も行いましたし、講師陣やチューターの方々にわからないことを伺う、あるいは勉強の悩みの相談に乗ってもらう等、試験合格のために最善を尽くしたと思います。そして、両親をはじめ、多くの方々の支えのおかげにより、3回目の短答式試験を突破したのち、論文式試験をまさかの1発で合格し、見事公認会計士試験合格に至りました。

 以上が、公認会計士試験合格に至った経緯です。結局、高校生時代、勉強開始~2年目までの期間については後悔が残ることにはなりましたが、少なくとも合格ができずに撤退しなければいけない、という最悪のシナリオ(後悔)が回避できたため、本当に嬉しく感じております。

目指すことに迷いのある方・目指すことを決めた方へ

長くなりましたが、最後に、まだ公認会計士を目指すことに迷いがある方へ、そしてこれから公認会計士を目指す方へお伝えしたいことがあります。

まず、公認会計士を目指すことに迷いがある方へ。生半可な気持ちでは合格に至る試験ではないというのは、上記の私の体験談やほかの方々の体験談やお話で十分承知だとは思います。しかし、合格すれば、このビジネス社会において様々なキャリアプランが見えてきますし、また、合格に至るまでに得た知識は専門性に富んでおり、間違いなく社会を生きる人間として高いレベルを誇れる存在へとなると思います。就職難民であふれている不況・コロナ情勢下において、公認会計士は必要な職業であり、少なくとも数十年かは廃れることがない職業であると思います。たとえ試験に失敗したとしても目指して損はないと思いますので、試しに簿記関係だけでも受講してはいかがでしょうか。行動が早い人ほど、成功は早いと思います。「思い立ったが吉日」の精神で一回ご検討を。

次に、これから公認会計士を目指す方へ。苦労しない人は存在しません。大事なのは、切磋琢磨できる存在を作ること。別に受験友達を作れ、と言っているのではなく、自分の立ち位置を知ることのできる、自分より優秀な存在を見つけることが大事だとお伝えしたいです。その存在に引っ張られるよう必死にあがき、喰らいつくことで、合格のためにいかに自分が怠けているか、いかに足りない部分があるか等が見えてくると思います。ぜひ、目標の人を設定して、「苦労のレベル」を上げてみてください。

長文で申し訳ありませんでした。本体験談が参考になれば幸いです。

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